ねもちゃんのはきだめ

変な夢を見たときの記録用

ぼくはわるいくまじゃないよ

 

庭の花壇の草むしりをしてた

レンガと土の隙間から生えた雑草が多くて、しばらく苦戦していた

リビングから聞こえてくるアナウンサーの声がニュースを読んでいる

「熊が多く出てきています、気をつけてください」

 

道路を挟んでお向かいの家を見ると、窓の近くに茶色の熊がいる

デフォルメでもなんでもなく、普通に熊だった

奥さんが小さな子供を抱き上げて、窓から熊を覗いていた

私は一緒に草むしりをしていた弟に声をかけた

「ねえ、あっこ(あそこ)、熊いるんだけど」

弟は一瞥くれてから、また草むしりを始めた

「こっち来たら家ん中入ればいいっしょ」

「そっか」

(現実では家は決して田舎ではないし、熊などでない

近所で見かけられるのはせいぜいが野良猫とカラスくらいだ

夢の中でも私は熊なんて初めて見たような反応だったし、こんなとこにも来るのねえという感じだった)

 

またしばらく草むしりを続けていると、門の近くに大きな犬がいるのに気付いた

野犬かなあ、と思った

私はニンニクだったか、玉ねぎだったか、何かにおいの強いものを適当な大きさに切って門の近くに投げた

犬は嫌そうな顔をしてそのままどこかへ行ってしまった

 

またしばらくして、今度はお巡りさんが2人来た

門の近くに投げたニンニクだか玉ねぎだかを不思議そうな顔でチラチラ見ながら

「熊がいますからね、気をつけて」

それだけ言って帰っていった

 

またしばらくすると、今度は門の近くに熊がいた

大きな茶色い熊で、普通に怖かった

弟に家に入るように言って、2人で大急ぎで家に入って扉の鍵を閉めた

庭に面する大きな窓も閉めて、私はリビングでちょっと怯えていた

なのに親父は普段の軽装で、何でもないように外に出ようとする

「えっ、熊いるよ、外でんの?」

「こっちが何もしなきゃ、何もしてこないよ」

本当に外に出ていった

庭には熊が一頭いて、窓から家の中を覗いていた

母親はまるで家の窓のガラスが動物園にある透明な仕切りであるかのように平気で窓に近付いていく

まるで常識が違うのが私だけのようだった

親父は多分近くの自販機でコーラを一本買って帰ってきた、普通に無事だった

私がちょっと目を離したすきに、熊は庭から別の窓の方に移動していた

その窓だけ、網戸のままだった

不幸なことに、私はその窓のすぐそばにいたのに、レースのカーテンで網戸のままなことに全く気付いていなかった

熊は長くて鋭い爪の生えた茶色い手を伸ばして、器用に網戸を開けた

私はすごく怖くて、ちょっとだけ顔をいれて家の中を覗き込んで来る熊の鼻っ面にパンチした

でも全然力は入ってなくて、ぺちん、という感じのパンチだった

熊は窓から家の中へ入って来た

親父が、何にもしなきゃ何にもしてこないって言ってたのに、やってしまったなあと思いながら後ずさった

熊は(うちの天井はそんなに高くないはずなのだが)二本足で立ってこちらを見ていた

そこから動かず、私の方に手だけを伸ばして来るが、長い爪が怖くてさらに後ずさる

いつのまにか私の後ろにいた親父に、後ろから幼子のように抱き上げられて、熊の方に連れていかれた

熊は私をよこせというように手を振る

親父は事もないようにわたしを熊に渡そうとする

私は熊の手が怖くて、逃げようとするが、バランスを崩して変な体勢で熊に受け止められた

熊は私を持ち直すと、本当に見た目の凶暴さの割に器用な手で高い高いでもするように私を持ち上げた

サーカスの熊みたいだな、と思った

 

そこで目が覚めた